Logistics Story for Life 暮らしを運ぶLogistics Story for Life 暮らしを運ぶ

世界から、
運んでいるのは、ブランド体験。

華やかなブランドバッグから、高級アパレル。その国の伝統技術から生まれた美しい陶器やガラス製品。すぐに販売終了となるスポーツアパレル。手が届かないほどの高級品もあれば、手を伸ばせば自分のものになる憧れブランドもある。そんな人々の夢を紡ぐ商品を世界から日本へ、運んでいるのも私たち。暮らしを人生を、毎日を彩るそんなブランド製品の裏側で、世界とやり取りしながらサプライチェーンを支えるスタッフたちのストーリーをご紹介します。

Case_1

フランスの小さな村から届く、
ラグジュアリー。
その最高の体験に、
環境配慮の視点も入れて。

入社してすぐに、フランス生まれの有名ラグジュアリーブランドを担当することとなった瀬戸。お客様を訪問し、そこで商品にかける想いを知り、自らも率先して勉強したことで誰よりも「ブランドのファン」となっていた。そんな瀬戸が、新たに建てた自社倉庫の活用方法を考えていた時、「そのスペースをお客様に提案できるのではないか?」とひらめいた。
KWEはこれより少し前に、ますます加速する環境意識を先取りするようなテーマ性の高い物流拠点を建設していた。それは、環境性能にこだわったもので、主に欧州の企業を意識して建てられたものだった。さまざまな工夫によって、どうCO2を削減するか、リサイクル性を高めるかなど、モノづくりの世界で「環境」という声を聞かない日はない。なかでも、こうした環境対策に最も意識が高いのが、欧州出身のメーカーだという背景もあった。

輸入営業部 東京ロジスティクス営業所
瀬戸 雅輝 (せと まさき)

物流拠点からダイレクトに、
「感動」を届ける。

「話を聞いた瞬間に、このお客様にはぴったりな提案になると直感しました。しかし、物流拠点を移転するというのは、そう簡単ではなくて…。」この有名ブランドは、大手百貨店などが納品先になる。そこで本国から輸入した商品をタイムリーに市場に届けるために、KWEの物流拠点を利用していた。「全国の百貨店に商品を届けるための手配や在庫管理だけでなく、ネット注文にも対応している。この場合は、当社の倉庫から直接お客様のご自宅に配送する流れになっており、当社のスタッフが商品を包装しリボンをかけてお届けする。そんなブランド体験の一端を当社が担っていました。」
お客様の商品のために最適化された倉庫内の仕組みと熟練したスタッフ。それを手放して、新拠点に移転するとなると、お客様の負担も必然的に大きくなってくるのだ。

運ぶプロセスにも
環境配慮して。

環境性能の高い新拠点へ移転する。その提案自体に、お客様は高い興味を示し自社のブランド価値を高める戦略として、非常に良い反応を得られた。しかし、実際に移転となると莫大な費用と新しい倉庫でのスタッフの採用や育成などさまざまな壁が立ちはだかる。既存倉庫のままの方が良いのではないか? 長期的な目線で環境性能の高い拠点に移るべきなのか? 瀬戸は、日本法人の社長にアポイントを取り付け、この移転の価値を説得した。「この提案は、私たちの目指す方向に合っているね。でも、もう少し具体的なメリットも欲しい。」その声を受けて瀬戸が考えたのが、より付加価値を上げることだった。先ほど紹介したネット販売の場合では、お客様のオーダーがあれば、お客様のお名前やプレゼントされる相手の方の名前の刻印サービスがある。これまでの倉庫では、刻印サービスに関しては外部の専門業者に任せていたため、注文からお届けまで日数がかかってしまっていた。新倉庫だとしたら…。「ゼロから仕組みをつくれる新倉庫なら、ラッピングはもちろん刻印を担当するスタッフも倉庫内に配置することもできます。そうすれば、もっと短い納期で商品をお届けできるのではないか。」こうした提案により、お客様の心はグッと移転へと近づき、瀬戸は目下、新倉庫のインフラ整備に駆け回っている。

ギフトシーズンまでに。
新しい流れをつくりたい。

「これまでの倉庫は空港に近く利便性が高い一方、設備は古いものでした。新倉庫は、先進技術の導入により、在庫管理も省力化と効率化を実現しています。まず、どんな動線設計がスムーズなのか。そして現地に通える新たなスタッフを雇い教育を行う必要があります。特にこのお客様のような“大切な時に、贈るギフト”として選ばれる商品には、包装やリボンがけのレベルも百貨店並みの美しさが求められます。」
旧物流拠点から、環境性能を備えた新しい場所へ。一般消費者の私たちの目には見えないところで、フランス生まれの美しい商品のブランド価値がまた一歩、上がっていくのだ。

profile

学生時代にオーストラリアとフィリピンに留学。英語を使える環境と社会を支えるような仕事に就きたいと考え国際物流業界へ。就職活動では幅広くメーカー、人材系、物流などを見ていた。KWEに入社を決めたのは、社風が自分に合うと思ったため。風通しが良く、若手でも仕事を任せてもらえることに魅力を感じた。入社1年目から現部署に所属。

Case_2

通関の翌日通過率を
ほぼ100%に。
有名スポーツブランドの
戦略パートナーとして。

カスタマーサービスとして経験を積んでいた佐藤にある日、予期せぬアサインメントの打診があった。誰もが知る有名スポーツ用品ブランドへの駐在だった。「単なる担当ではなく、お客様先の一員となって物流を担う。最初はその内容に驚きました。“あの会社で働く”という喜びと共に、“何をやるのだろう?”といった不安半分。しかもこれは、当社とお客様との前人未到の取り組みの一歩だったのです。」
このスポーツブランドは、国内での販売やブランド戦略を達成するため、スピーディーかつタイムリーに輸入を実現したいと考えていた。そのためにお客様がKPI(重要指標)にしたのが、通関の翌日通過率をほぼ100%にせよ、というものだった。
「最初に聞いた時は、まさかと思いました。一般的に貨物が日本に到着してから納品まで1週間かかるケースが多い中で、到着の翌日に通関を完了させることをルーティーンにするのは、異例ともいえます。しかも、KPIとして翌日の通関通過率が設定されていることは初めての経験でした。」

輸入営業部 城東輸入営業所
佐藤 優(さとう ゆう)

まずは、
通関スタッフの意識を変える。

驚きは隠せなかったものの、すでにブランド企業に駐在していた佐藤は、早速ミッションを達成するための方法を考えていた。「ボトルネックになっているのは何かを探るために通関センターなどにヒアリングしました。」
現場の声を聞いた佐藤。見えてきたのは、いくつかの問題だった。「まず一つは、通関に必要な書類が企業側から届いていない点です。商品の内容やインボイスなど通関を通すためには膨大な書類が必要です。しかも、輸入元となる日本法人だけでなく、海外工場からの書類も必要。出荷元の海外工場も多くあるためさらに煩雑になります。どれか一つが欠けても通関は通らない。これがスタックの原因となっていました。また、もう一つの要因は通関スタッフの意識でした。」日々、大量の業務をこなすスタッフから見ると、必要書類が整えば処理を進めるという認識が当たり前になっている中で、どうすればこの企業へのマインドシェアを上げてもらえるのか。佐藤は考えた末に、このブランドに対するセミナーを開催することにした。「誰もが知っているブランドではありますが、その理念や商品の魅力、働く人たちの想いなどまでは知る機会がありません。また、この通関通過率向上というプロジェクトがどんな意味があるのかなど、通関スタッフの心に響くよう説明したのです。」

難しい挑戦が、楽しい挑戦へ。

佐藤の熱意は、少しずつ通関スタッフにも浸透していった。同時に、海外工場側にも佐藤は働きかけた。「海外工場から関係各所に連絡が入り、必要書類が各国および関連部署からKWEの通関センターに直接届くよう流れを設計しました。それにより、これまで大量に発生していた書類が揃わないことによるスタックが解消。翌日通過率の向上が目に見えた成果として出るとスタッフの表情も変わってきて、この難しい挑戦が“やりがいのあるもの”“楽しいもの”に変わってきました。」かくいう佐藤自身が、このブランド企業の一員として働くことで、その理念に触れ、大きな影響を受けてきた。「ブランドを届けるという物流側の視点から、ブランド体験を生み出すという“つくり手側”のマインドや工夫、熱意のようなものが見えてきてぐんと視座が上がった感じです。」高過ぎると思えていた目標はいつしかクリアし、佐藤と通関スタッフは喜びに沸いた。

Jリーグの新ユニフォームを
スムーズに届ける。

「生産された製品をいち早く届けて、必要な時にタイムリーに市場に出す。これは、マーケティングやブランド戦略を狙い通りに実現する上でとても重要な価値があります。また、こうした努力を続けてきた成果の一つが、Jリーグチームの新ユニフォームの輸入でした。想定以上のスピードで商品を輸入した時も、さまざまな事情をクリアし見事に成功したのです。」
広告宣伝などのPR活動になくてはならない新製品の輸入は、PRイベントまでに手元にないと意味がない。しかし実際には、製造側もギリギリまで改良を重ねるため、航空機に搭載するのはイベントの1週間前。デザイナーや企業、製造者のこだわりを汲んでいかに早く届けるかが我々物流パーソンたちの腕の見せどころでもある。
ブランド企業のスタッフとして、スポーツ用品の物流をコントロールする経験を得て佐藤の視座は高くなり、視野はさらに広がった。「今は、輸送手配を依頼する顧客の立場になり、それぞれのプレーヤーが自社の製品をどれだけ大切に思ってくれているのか、運ぶことに真摯に向き合ってくれるのかがわかるようになりました。ここで広がった目線を、KWEに戻った時には必ず活かしていきたいと思います。」

profile

2018年入社。学生時代にスペインに留学。現地のお土産を日本に送ろうとしたところ、うまく届かずに“運ぶ”ことの難しさに興味を持つ。航空業界にも興味があり、航空貨物に強いKWEを志望するように。朗らかで前向き、ガッツのある社風も好きだと感じた。入社時はカスタマーサービスを担当し、2023年より現部署に所属。

for Industry産業を運ぶ

国境を越えて。
産業の鼓動を、動かし続けろ。

view more

Entry

キャリア採用はこちら