

国と国のはざまで、
お客様に寄り添う
輸出入の“守り人”。



- 入社年度
- 2010年度
- 学生時代の専攻
- 経済学部
- これまでのキャリア
- 1年目~ 大阪輸出通関センターに配属。航空輸出通関を担当。
9年目~ 東京輸出通関センターに異動し、海上輸出通関を担当。
10年目~ 東京輸入通関センターへ異動し、航空輸入通関を担当。
好奇心旺盛な私が
物流に興味を持った理由。
高校では芸術系の学科に進み、演劇の道を志していたが、次第に企業人として活躍したいと考えるようになり、経済学部へ進学。大学の講義で国際物流を知り、“モノが届く背景に、多くの人の関わりと戦略がある”と感じ興味を持つ。就職活動を進める中で、好奇心の強い自分の特性を活かせる仕事を模索し国際物流であれば多様な業界や企業に関わることができると考え、第一志望に。最も早く内定が出たKWEは、選考中に出会った社員一人ひとりが活き活きと輝き、前向きな姿勢で働いている点がとても印象的だったと語る。


お客様に寄り添いながら、
物流の門番として。
物事に打ち込み何かを極めたい、と思うタイプの私が配属となったのが、大阪輸出通関センターでした。私は、すぐにこの専門性の高い仕事に惹きつけられました。けれど入社当初は、膨大な書類を次々と作成し、申告手続きを進めていく先輩の姿に圧倒される日々。それでも、「国家資格である通関士になる!」と目標を決め、講座を取ったり、社内の模擬試験も受けて、仕事終わりにカフェで勉強したりと頑張り抜き、見事、合格を手にしたのです。
通関士の役割は、お客様に代わり、輸出入の許可を出す「税関」に貨物を申告すること。一方で、国の立場になって書類の不備や法令違反がないかを厳しくチェックする“物流の門番”のような役割も担っています。通関士は、厳しい目を持ちながらも、お客様の立場になって対応する――そんな国と社会をつなぐ責任ある仕事なのです。


「間に合わない!?」から、
始まる試行錯誤。
日本から貨物を輸出、あるいは日本へ輸入するためには、税関へ申告して許可をもらう必要があります。申告から許可までの流れは三つ。一つ目は、申告後すぐに輸出入許可がおりるケース。二つ目は、税関の書類審査を経て、許可がおりるケース。三つ目が税関による検査対象となり、貨物の中身を確認した上で許可がおりるケースです。認定通関業者(AEO※)である私たちの申告はほぼスムーズに通るものの、時に緊急貨物が検査対象となると現場に緊張感が走ります。それは、精密機器の緊急輸出でした。航空機への搭載までの時間が迫る中、輸出申告した貨物が税関による検査対象となりました。しかし、緊急貨物なので決して遅らせるわけにはいかない。私は「何としてでもお客様の期待に応えたい」その一心で、フライトの時間から逆算し、車を走らせて空港へ。検査に立ち合い、なんとか予定通りのフライトに載せることができたのです。通関は、知識を駆使する“書類”仕事に見えがちですが、いざとなれば、こんなふうに機転と行動力が求められるのです。
※Authorized Economic Operatorの略。法令順守やセキュリティ管理が万全な企業に対して、税関が認定する制度。認定された企業は、通関手続きがスムーズになるなどの優遇を受けられる。


その部品がなければ、
完成品は生まれない。
輸出通関センターで経験を積む中で、「“関税”に直接関われる輸入通関業務にも携わりたい」という想いが芽生え、自ら異動を希望。晴れて輸入通関センター異動となりました。輸出入両方を経験するキャリアは社内でも珍しいのですが、「通関を極めたい」という想いが強かった私は、「これで輸出入の両面を把握できる」と、嬉しかったことを覚えています。輸入通関に携わる中でも、特殊な案件は日々舞い込んできます。例えば、日本が半導体不足で喘いでいた数年前。ある商社のお客様から営業を経由して相談が入りました。「半導体が足らず取引先の生産ラインが止まっている。これから直接シンガポールまで受け取りに行き、手持ちで空港に向かう。明日の深夜に羽田に着くが、到着後すぐに税関に対して申告を行い、輸入手続きを完了してもらえないか」。一報をもらったのは週末。時間の期限が迫っていました。一番に考えたのは、「お客様の想いに応えたい」ということ。これがなければ自動車の生産ラインが止まったまま。一つでも多く、一日でも早く工場へ届けたい。そう願うお客様の気持ちに寄り添いながら、今できることを考え、急ぎの手配を進めていきました。結果は無事に税関を通過。工場へ届き、無事に製品の製造がスタートしたと聞いています。


「通関」から、
世界と関わる。
近年、国境を越えてモノが行き交い、各国が連携することで、グローバル規模でモノづくりや商品の流通が行われています。その中で、私たち通関業者は、国が定めたルールのもとで、輸出入申告手続きを代行し、税関から許可を得ることで、お客様の輸出入をサポートしています。そんな通関という分野に面白みを見出し、必死に勉強しながら「通関士」として成長することができました。通関を学ぶと国がわかり世界が見えてくる――。お客様の期待に全力で応えることで、当社や世界の経済・暮らしに貢献できていると実感しています。グローバルに活躍するということは、海外に行って働くキャリアだけでなく、そのような世界との関わり方もあるのだと感じています。