

北米ー日本。
定番ルートを外した時、
解決の糸口が見えた。



- 入社年度
- 2016年度
- 学生時代の専攻
- 外国語学部
- これまでのキャリア
- 1年目~ フォワーディングチームに配属。海上輸入貨物の到着案内書類の作成や自社混載貨物の到着スケジュールの組み立てに従事。
2年目~ 東京海上通関センターに異動。自動車、アパレル、消費財などの多様なお客様の輸入手続きを担う。
6年目~ 芝輸入営業所に異動。カスタマーサービスを経験した後、現在は営業として新規・既存の顧客拡大に従事する。
いろんな商材、いろんな国に、
関わりたい。
幼い頃、アメリカで過ごした経験から、就職活動はグローバルに展開する企業を中心に業界・企業研究をしていた。商社も選択肢の一つとして考えていたが、当時見ていた企業は投資事業が主軸で、一つの分野に特化したキャリアになると知った。そこでより広い視点で世界と関われる仕事を求めるように。そんな中、国際物流の存在を知り「ここだ!」と直感。航空会社や船会社なども見たが、「暮らしや事業に欠かせないモノを動かす」ダイナミックさに惹かれフォワーダーを第一志望に。KWEは社風の良さと共に、なじみのあった「近鉄グループ」であることも、決意を後押しした。


「運ぶ」の基本を学んだ3年間。
入社してすぐは、海上輸入貨物のフォワーディング業務を担当。これは、お客様の意向に合わせて、オペレーターや通関など社内外の関係各所を動かしていく司令塔のような役割です。この部署で、自動車メーカーからアパレル、消費財など、さまざまな案件を経験したことで物流の基礎も身についていきました。この時、学んだのは、モノを運ぶ裏側にあるお客様の想い。「急いで欲しい」という言葉の向こうに“工場が止まると莫大な損失になる”といった切実な理由があります。物流という仕事の社会的な役割の大きさにも気付くことのできた時間でした。そして、6年目には念願の営業所に異動することに。最前線でお客様の話を聞き、最適な物流ソリューションを提案してみたいと、とてもワクワクしました。現在は営業担当として主にラグジュアリーブランドとヘルスケア企業を担当しています。


あらゆる事情を汲み取って
地球をまたぐ。
物流というと、多くの方がシンプルに「ちゃんと届けばいいのでは?」と思うのではないでしょうか? しかし、この「届ける」が実に千差万別なのです。例えば、私が関わるラグジュアリーブランドとヘルスケア企業でも期待が異なります。まずブランドといっても宝飾品から、高級アパレル、革製品などと多種多様です。当然、期待されることもさまざま。しかし、共通した特徴は「商品が高単価であること」、そして「お客様への“価値体験”が重視されている点」にあります。そのため、輸送中のわずかなダメージにも気を遣い、輸送品質に細かな目線が及びます。ヘルスケアの商材も同様です。こちらも、試薬や医薬品、注射器やコンタクトレンズのような消耗品から大型の医療機器などさまざま。厳密な温度管理が必要なものから、ほんのわずかな衝撃でも機能が損なわれる可能性がある精密機器まで多岐に及びます。一方で国際物流においては、輸送先である現地の気候や陸路での輸送条件、さらには航空機や船舶による輸送過程で生じるさまざまな環境変化に対応することが求められます。そうした中で、いかに国から国へと安定的に貨物を届けるか――それこそが、私たちの大きな使命であり、腕の見せどころになるのです。


人気急上昇中の海外ブランド。
その商機を逃さない。
そんな刺激に満ちつつも、試行錯誤も必要な日々の中で印象的だったのは、北米発のアパレル企業の輸入案件です。その人気ブランドは、寒さが厳しくなる季節に需要が増え、最も商機が高まります。本格的な冬の前に“いかに在庫を輸入しきるか”が勝負となっていました。そして、これまでは本国から日本への直行便で夏場から計画的に輸送するという、いわば王道の手法をとっていたのです。しかし、国内での人気が上昇するにつれて、輸送量が増え従来の方法では運び切れないように。しかも、この直行便は貨物スペースが限られる旅客機で、乗客数や混載する貨物により搭載量に制限が出てしまっていたのです。しかし、貨物機をチャーターし必要量を大量に運ぼうとすると輸送コストが上がってしまう。悩んだ私は、まず現地スタッフの知恵を借りることにしました。従来は出荷元から近い空港から旅客便に搭載していましたが、出てきたアイディアは他のハブ空港へ“あえて陸送し”、そこから貨物便で空輸するルート。当初は耳を疑ったものの、じっくり検証すると、ハブ空港の貨物便を利用した方が一度の輸送量が多く安定性も高い。到着は従来ルートより半日ほど遅れるものの、冬のアウター商戦までに必要な量を確保する、というお客様の狙いにはピッタリ。早速、提案したところ「ぜひ、トライしたい」ということに。結果、私たちの目論見は大成功し、その冬はお客様が在庫不足に困ることなく、日本国内での市場地位をさらに高めることに成功しました。私たち営業の仕事は、つねにお客様の課題と向き合うこと。お客様の期待や運ぶプロセスが、どれほど複雑でも、社内外の専門家たちの力を結集して、最高の答えを出していく。それが、私の仕事のやりがいでもあり、達成感を得る瞬間です。


世界の仲間と知恵を出し合う。
「何かあった時、世界中の仲間と連携する」それが、KWEの当たり前。私がそれを感じた瞬間は、以前カスタマーサービスを担っていた際、コロナ禍で中国全土がロックダウンされた時のこと。空港はもちろんのこと主要道路も閉鎖され、物流が滞る事態が起きました。お客様は自動車関連メーカー。郊外の工場から日本へ部品を運ばなければ、日本の工場が止まってしまう状況でした。そこで、私たちは現地のスタッフと連携し、必死に代替ルートを模索しました。無数の条件や制約の中で、中国国内の別の空港まで陸路で運び、日本へ空輸することにしました。最善の案を練り上げ、輸送を実現させたあの経験は、今でも当時の仲間と語り合うほど。世界を巻き込みながら、点と点をつないで解を生み出す。そんな仕事に、私は心から誇りを感じています。